kintone サイボウズLive化作戦(グループ・トップページ編)

この記事の概要

★この記事は「kintone Advent Calendar 2017」の4日目の記事です。

みなさんこんにちは。プロジェクト・アスノート代表の松田です。
無料で使えるグループウェアとして、多くの人に愛されていたサイボウズLiveが、残念ながら20194月15日をもってサービス終了になることが決まりました。この発表を受けて、さまざまなサービスが移行受け入れ発表を行い、移行ユーザー獲得ブームが起こっています。

この記事では、kintoneの標準機能のスペース機能を使って、サイボウズLiveのグループ(トップページ)の再現をしてみます。

JavaScriptカスタマイズやプラグインを使わなくてどこまでできるか、今回標準機能縛りでサイボウズLiveの機能と使い勝手をkintone で作る過程をまるっと公開します。kintone初心者の方はぜひ記事を参考にしながら、自分で手を動かしてアプリの作成をしてみてください。

★記事の最後で、今回作成したkintoneスペースのテンプレートおよび、アプリセットのテンプレートをダウンロードできます。kintoneアプリ作成初心者の人はぜひ参考にしてみてください。

▼関連記事:「kintone サイボウズLive化作戦」シリーズ

kintoneスペース作成例

サイボウズLiveのトップ画面を確認

それではまず、サイボウズLiveの画面を確認しながら、機能を洗い出してみます。

登録するデータ項目としては以下のものがありました。
  • 各機能へのリンク
    • トップページ
    • イベント
    • ToDoリスト
    • 掲示板
    • 共有フォルダ
    • メンバー名簿
    • 設定
  • メンバーへのお知らせ
  • リンク集
  • 参加メンバー
  • 更新情報(新着順表示・分類ごとに表示)

サイボウズLiveのグループと、kintoneのスペース

サイボウズLiveは、グループを作るとその専用画面が作られます。このグループには登録されたメンバーしかアクセスできません。自分は複数のグループを作ったり、所属したりすることができます。

同じような考え方で、kintoneには「スペース」というものが用意されています。

kintoneはもともとチーム内のコミュニケーションのための機能が充実していますが、kintone全体ではなく、もっと小さなチームがグループを作って、その中で情報共有したりディスカッションしたりすることができるのがスペース機能です。スペースを使うことで、サイボウズLiveのグループに近い使い方ができそうです。

kintoneは、アプリという考え方は分かりやすいですが、スペースという機能の考え方や活用のしかたは意外にあまり知られていないようです。これまでもイベント等でユーザー企業やkintone関連の開発をやっている人からスペース関連の質問が多くあります。

 

スペース機能の使い方

スペースの使い方は、kintoneが全社で導入されているとしたら、各職場のグループ専用のコミュニケーションの場としてスペースを作る場合や、例えば何かの製品単位やプロジェクト単位で、各部門から関係者が集まるスペースを作るなど、人が集まるいろいろな単位で自由にスペースを作って活用してみたらいいと思います。

▼スペースを作る単位

  • 部門ごとのグループ(営業部スペース等)
  • プロジェクトのグループ(新製品Xの開発プロジェクト)
  • ○○年入社同期スペース
  • kintone活用勉強会スペース  等々

公開スペースと非公開スペース

kintoneのスペースには、公開スペースと非公開スペースの2つの種類があります。

公開スペースは、登録されたメンバー以外からもそも存在を見ることができ、中に書かれているスレッドの内容についてもみることができるというものです。

一方、非公開スペースというのは、スペースに登録されたメンバーだけが中の情報にアクセスすることができ、他の人からはスペースの存在自体も見えなくなるというものです。

議論はメンバー中心に行うけど、他の人からも見えるようにしておいて、入ってくる仲間を増やしたいケースや、情報を他の人にも共有したいケースについては、「公開スペース」を使うといいでしょう。

設定の方法については、あとでスペースの設置方法を解説するので、そこで取り上げます。ここでは、サイボウズLiveと同じく登録されたメンバーだけがアクセスすることを想定して、非公開スペースを使います。

スペースの設置と設定方法

それではさっそくスペースを設置して、設定を行ってみましょう。

kintoneのポータル(トップ画面)の右側にあるスペースの追加ボタンをクリックします。表示されたメニューから「スペースを作成」を選択します。
イチから自分で作成する場合は、「はじめから作る」を選択します。

はじめから作成を選択します

スペースの設定画面が表示されますので、以下の設定をしてから保存ボタンをクリックします。

  1. スペースの名前を入力します
  2. 「非公開スペース」にしたいので、「参加メンバーだけにこのスペースを公開する」にチェックを入れます
    先ほど紹介した、オープンな公開スペースを作る場合はチェックを外しておきます
    公開・非公開の設定はあとから変更可能です。
  3. 「スペースのポータルと複数のスレッドを使用する」にチェックを入れます
    スペースの使い方によりますが、今回のようにトップページ(各スレッドやスレッド内アプリへの入り口)を使いたい場合は、このチェックを入れておきます。ここは一度設定してスペースを作ってしまうと後から変更はできません。
  4. カバー画像(ヘッダーの背景画像)を設定します
    プリセットの画像から選択するか、自分で画像をアップロードすることもできます。

スペースの設定画面

はい。これでスペースを作ることができました。

作成されたスペース。まだ中には何もありません。

 

スレッドの活用

kintoneのスペースには、「スレッド」と呼ばれるディスカッション掲示板のような機能があります。ここには複数のスレッドを作ることができます。サイボウズLiveの掲示板であらかじめ用意されている、挨拶・自己紹介トピックや、緊急連絡用トピックのように、ここも自由にスレッドを作ってテーマ別のディスカッションやお知らせとして使うことができます。

サイボウズLiveの掲示板も、一方的に情報を掲示する通常の掲示板ではなく、あるテーマについてのディスカッションボードとしての使われ方が多いと思いますもで、Live掲示板の代わりに、kintoneスペースのスレッドを使う、というのは非常に分かりやすいと思います。

トピックスの投稿や、コメントの返答ができます

また、「宛先指定」を行うことで、宛先に指定された人に通知を出すこともできます。
「宛先指定」のところをクリックするか、キーボードから「@」を入力し、その後に宛先に指定する人の名前を入力すると、候補が出てきますのでそれを選択します。

このテクニックは、スペーススレッドだけではなく、通常のkintoneアプリのコメントでも使う機能なので、慣れておくと便利に使えるようになると思います。

スペース内のアプリについて

kintoneスペースの中では、スレッドだけではなくアプリも使うことができます。お知らせとスレッドである程度の情報共有は可能ですが、サイボウズLiveで言うとToDoリストやイベント(スケジュール)などは、その機能に特化したアプリを作った方がより目的に合った使い方ができます。

アプリには大きく2種類あります。スペース内アプリと通常のアプリです。普通にkintoneのポータル画面から作成したアプリは「通常のアプリ」となります。ここではアプリの中で設定したアクセス権で許可された人が取り扱うことができるようになります。一方、スペース内アプリというのは、そのスペースに属したアプリであって、非公開スペース(登録されたメンバー限定で見えるスペース)の場合は、スペースの登録メンバーだけがアクセスすることができることになります(アプリのアクセス権を「Everyone」としていても、スペースの登録メンバーだけがアクセスできます)。

今回は、掲示板以外のToDoリストやイベント機能は、このスペース内アプリを使って作ってみようと思います。

お知らせと掲示板をどうするか

kintoneスペースのトップページの「お知らせ」は、スペースの管理者がメンバーに対して知らせたい内容を掲示することができます。なので、一番大事なことをポイントを絞って掲載する、という使い方になります。なので、いわゆるいろいろな掲示をする場としてはちょっと向いていません。

従来のサイボウズLiveの掲示板は、単に情報を掲示するという使い方ではなく、テーマごとにスレッド化して返答を活用したディスカッションフォーラムのような使い方をされる場合が多かったと思います。なので、先ほど紹介したとおり、その代わりの機能をkintoneスペースで実現するのであれば、スペースのスレッドを使うやりかたが最も近い使い方ができると思います。

通常の掲示板として、複数の掲示を同時に掲示するという使い方をしたい場合は、スペース内アプリで掲示板を作っておけばいいと思います。ここでは掲示板アプリの作り方は解説しませんが、サンプルでダウンロードできるテンプレートには、掲示板アプリも収録していますので、参考にしてみてください。

サイボウズLiveの機能をどうやって実現するか

ここまでで説明したことをまとめてみます。イベント、ToDoリスト、共有フォルダの機能は別途アプリを作って再現しますが、それ以外の機能はkintoneのスペースを上手く使うことで実現できそうです。

▼サイボウズLiveの機能の対応表

サイボウズLiveの機能 kintoneでの再現方法
トップページ kintoneのスペーストップページ
イベント スペース内アプリ
ToDoリスト スペース内アプリ
掲示板 kintoneスペースのスレッド
共有フォルダ スペース内アプリ
メンバー名簿 kintoneスペースのピープル
メンバーへのお知らせ kintoneスペースのお知らせ
リンク集 kintoneスペースの関連リンク またはアプリ
更新情報
次回はさっそくイベントカレンダー機能を、kintoneアプリ化してみましょう!

この記事のまとめ

kintoneの標準機能のスペース機能を使って、サイボウズLiveのグループ(トップページ)の機能と、掲示板機能を再現しました。

▼関連記事:「kintone サイボウズLive化作戦」シリーズ

★下のダウンロードボタンから、今回作成したkintoneスペースのテンプレートおよび、アプリセットのテンプレートをダウンロードできます。kintoneアプリ作成初心者の人はぜひ参考にしてみてください。

スペーステンプレートのダウンロード アプリテンプレートのダウンロード

 

※スペース(スペース内アプリやスレッドを含む)をまるごとテンプレートで再現したい場合は、スペーステンプレートをダウンロードしてください。アプリをスペース内ではなく通常のポータルに設置したい場合は、アプリテンプレートをダウンロードしてください。

 

次の記事:kintone サイボウズLive化作戦(イベントカレンダー編)

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