カレンダーPlusでカンバン!~カレプラの機能再考
カレンダーPlus Advent Calendar 2020 の14日目の記事です。
カレンダーPlus エバンジェリスト!
みなさんこんにちは。カレンダーPlusエバンジェリストの松田です。
あれ?カレンダーPlusエバンジェリスト?? そうなのです。あの kintoneの定番カレンダープラグインのカレンダーPlusへの愛が実り、めでたくエバンジェリストに就任することになりました(詳しくはこちらの記事を)。
これで、サイボウズ公認の kintoneエバンジェリストと合わせて、エバンジェリストの称号が2つになった!(嬉)
2020年11月に幕張メッセで開催された Cybozu Days TOKYO2020では、カレンダーPlusのブースに立たせていただくという貴重な経験をすることができました。
カレンダーPlusの特徴をあらためて整理する
カレンダーPlus(以下、カレプラ)の機能について、ラジカルブリッジの公式サイトには次のように記載されています。
kintoneにサクサク動く素敵なカレンダー機能を追加するプラグインです。月別・週別・日別表示や色分け表示で直感的なスケジュール管理が行えます。一般的なカレンダー機能を提供するBasicに加え、Proではリソース別スケジュール管理機能を搭載しており、担当者別・会議室別・車両別など、様々な要素(リソース)別にスケジュール管理を行うことができます。担当者別のスケジュールでは、cybozu.com組織情報と連動した組織別スケジュール表示を行うこともできます。
https://radical-bridge.com/product/calendarPlus.html
ちょっと整理すると、次のような特徴があることがわかりますね。
- 多彩なカレンダービュー(月別・週別・日別)
- カレンダー上のマウス操作でスケジュールを変更(レコード編集)
- リソース別のスケジュール管理機能
3つめのリソースというのがちょっとわかりにくいですね。
アプリのフォーム内に設置した、ラジオボタン、ドロップダウン、チェックボックス、複数選択、ユーザー選択、ルックアップフィールドをリソースとして定義して、リソース単位でのスケジュール管理ができるようになるという、Pro版の機能です。
Basic版では、それぞれのカレンダー形式(月別・週別・日別)において、予定の種別を表示するために、色わけを設定することができます。色別(種別)の表示は目で見て見分けるしかなく、予定の種類毎にまとまって表示させることはできません。リソース別のスケジュール管理機能というのは、予定の種別毎に分けた表示が可能になるというものです。
以上の特徴は、スケジュール管理という面から見た、カレプラ特有の機能です。
では次に、これをkintoneの機能という軸で考えるとどうなるか?
- 多彩なカレンダービュー:これはそのままですね
- カレンダー上のマウス操作でスケジュールを変更可能
「マウス操作で」というところを、もう少し突っ込んで考えてみると、改めてカレプラのメリットを知ることができます。
カレプラのマウスドラッグ&ドロップでできること
kintoneの機能面から、カレプラのマウス操作でできることをまとめてみると、次の4点になります。
- 日時・日付フィールドの値を変更
- 終日フラグの変更
- 色分けに使用するフィールドの値を変更(ラジオボタン、ドロップダウン)
- リソースに使用したフィールドの値を変更(ラジオボタン、ドロップダウン、チェックボックス、複数選択、ユーザー選択、ルックアップフィールド)
kintoneアプリのレコードを編集する手順は、実は意外と手間がかかります。
- レコード詳細画面を表示
- 編集ボタンをクリック
- フォームのデータを編集
特に日付・時刻系はめんどくさい
ルックアップ・ユーザー選択もめんどくさい - レコードを保存
カレプラを使って、マウス操作でレコードデータを編集できるということは、上記の4つの手順が1つの操作でできることになります。
カレンダーやスケジュール管理という考え方を一旦横に置いておいて、上で上げたメリットを活用できる用途にはどんなものがあるか?考えてみました。
先日のライブ配信では、このメリットを使って「カレプラでブレスト」というアプリを作ってみました。これは、スケジュール管理ではなく、ルックアップフィールドによって表現した、付箋アイデアの分類を、マウス操作で超簡単に変更するというアイデアでした。
今回は、さらにその応用編ということで、「カレプラでカンバン」というアイデアをご紹介しましょう!
ホワイトボード+付箋 → kintone+カレンダーPlus
「カンバン」というのは、お店の前に掲示してあるアレではなくて、ソフトウェア開発のように作業のプロセス(工程)がある程度決まった手順で進められる業務において、タスク管理を円滑に行う手法です。
作業の工程をいくつかのステップに分けて表示し、小さなタスクを付箋やカード等に記入して、進捗状況を視覚的に把握できるように表示していくという手法が代表的だと思います。Googleで検索してみると、ホワイトボードとかを区切って付箋を貼り付けている画像が多く見つかります。
次のステップに移動させるとき、付箋を剥がして、ペタッと貼り直すだけ
これをkintone+カレプラで実現させてみましょう。
アプリ構成
まずは下の図のようなアプリを作成しました。
フィールドの構成はシンプルです。
- ステータス(ラジオボタン)【必須】
- 担当者(ユーザー選択)
- 日付1(日付)【必須】
- 日付2(日付)【必須】
- タイトル(文字列(1行))【必須】
- 終日(チェックボックス)【必須】
【必須】マークのついたものは、カレンダーPlusを利用するうえで必須となっているものです。
ポイントとしては、日付は2つ必要。その他、終日を表すためのチェックボックスが必要です。
そして、kintoneにカレンダーPlusをインストール後、アプリの設定からカレンダーPlusを追加し、設定をしていきます。
設定内容はスクリーンショットを載せておきます。
ポイントは以下の通り。
- 規定のカレンダー表示形式:日別表示
- 時刻間隔:30分
今回は時刻については利用しないため、最長となる30分を選択しました。 - 表示時間帯の設定: 10:00-11:00
こちらも今回は利用しません。非表示にはできないので適当な設定でOK - 予定追加時の動作設定:チェックを外す
カレプラからタイトルだけ入力して直接登録したいため、レコード新規登録画面のチェックボックスは外しておきます。 - 色分けのフィールド:ステータス(ラジオボタン)
色はお好きなものを設定しましょう
ここまでがカレプラのBasic部分の設定です。今回はProの機能も使いますので、「リソース別スケジュールオプション機能を有効にする」チェックをオンにして、以下のようにリソース設定を行います。
一番下にある以下の項目も忘れずチェックしておきましょう。
- (未設定)欄の非表示設定:表示しない
- 日別・週別表示のリソース別表示設定:
日別表示をリソース別表示にするチェックを入れておきます
最後に、カレプラ用の一覧を追加するのを忘れないように。
使ってみましょう
ここまでの設定を行い、アプリを開くと、次のような画面が表示されます。
通常の日別カレンダーは縦に時間があって、横軸には何もありませんが、リソース別スケジュールで設定したステータスが横軸に表示されています。
「やること」の列の終日欄をクリックして、タスクを入力していきます。タイトルを入力してOKクリックで、ステータスは「やること」が自動で選択されます。
ステータスの変更は、カレプラ画面上でオレンジ色のタスクをマウスでドラッグ&ドロップするだけで変更できるようになりました!!
超カンタンにレコードのステータス変更ができますね!
さらなる改善!
基本的なアプリの設定と、動きの確認ができました。
より実践的なアプリにするために、以下の改善を行っていきましょう。
- プロジェクト名を登録できるようにする
- 表示タイトルをもっとわかりやすく工夫してみる
プロジェクトを登録できるようにする
下の図のようにアプリにフィールドを追加しました。
プロジェクトについては、ドロップダウン等の選択系フィールドでもいいのですが、随時追加されていくものなので、別アプリにプロジェクトを登録しておき、そこからルックアップで参照するようにしています。
注意ポイントは、プロジェクトアプリのルックアップするフィールド(プロジェクト名)は、フィールドの重複禁止設定を入れておきましょう。
そして、カレプラの設定で、プロジェクト(ルックアップ)をリソースとして利用するように設定しておきましょう。ついでに担当者(ユーザー選択)も、リソースとして設定しておきましょう。
カレンダーの左上にあるリソース切り替えのドロップダウンを切り替えると、図のようにプロジェクト別の表示が出てきました!
この機能の特徴として、ルックアップ先のアプリに登録されているレコード(ここでは4件)が、カレンダーアプリ側では参照しているレコードがなくても、4件全てが画面上に表示されます。これは重要なことです!
図の例だと、右の2つはまだ入っていませんが、マウスでタスクをドラッグするだけで、ルックアップの選択しなおしも一発でできてしまいます。
さらに、プロジェクト名のところが青文字になってリンクになっています。
ここをクリックすると、プロジェクトアプリの該当するレコードが開きます。
ということは、
こんなことができる、ということですね!
表示タイトルをもっとわかりやすく工夫してみる
最後に、応用編としてタイトル表示の工夫ワザをいくつか。
プロジェクト別のタスクを登録するようにしましたが、プロジェクト別表示ではない画面で、どのプロジェクトのタスクなのか?が分からなくなりましたね。
そして、プロジェクト別画面では逆に、ステータスが見えないのでどのタスクがどういう進捗なのか?が見えなくなってしまいました。
カレンダーPlusのリソース別表示機能は、設定してあるリソースのうち1つだけを利用する機能なので、ここに別リソースの状態を表示させる手段として、タイトルを工夫してみましょう。
ここではまず、ステータス別表示の画面において、タイトルの後ろにプロジェクト名をつけています。
kintoneの計算機能を使ったことがある人なら、予想できますね!
別の文字列1行フィールド「プロジェクト用タイトル」を作り、自動計算を設定します。
計算式では、タイトル(プロジェクト) となるように文字列結合をしています。
この例では、プロジェクト別表示のときに、タイトル内にステータスを表示していますが、文字で表示すると、ステータス名が長いときにわかりにくくなってしまいます。
ちょっと工夫をして、ステータス別に文字を使って図示するようにしてみました。
IF関数を使って、ステータスを判定してタイトルのあとに、■□□のように四角形が塗りつぶされていくことで進捗を表しています。
まとめ
さてさて、いつものように、いろいろなkintoneの機能を組み合わせてみました。
工夫次第でいろいろな応用法がありそうですね。
先日の幕張メッセでブース対応していて感じたことがあります。
カレンダーPlusに興味を持って、ブースに来てくれた人の大半は、Googleカレンダーやサイボウズガルーン、サイボウズOfficeのカレンダーと、kintone+カレンダーPlusを比較しているのです。
グループウェアとして専用開発されているツールのカレンダー機能は、その用途に特化した機能をたくさん持っているので、はっきり言って便利です。現在、専用のスケジュール管理を使っている業務、例えば社員個人のスケジュール管理や会議スケジュール管理を、わざわざまるごとkintoneに移行するという考え方は、いつも正解とは限りません。
逆に、カレンダーPlusの強みはどのようなところにあるかというと、スケジュールすなわち日付や日時という情報を持ったデータで、それをカレンダー的に表示することや、マウス操作ができることでメリットがある、すべての業務。
さらには、kintoneですから、アプリに登録されたレコードは、蓄積するとデータとしての活用が待っています。蓄積したデータをリアルタイムに集計表示したり、分析したりすることに価値があることって、意外に多いと思います。そういう、kintone的な情報活用という軸、それにカレプラが持っている「日付、時刻」という軸を組み合わせて発想すると、さまざまな活用シーンが考えられると思います。
発想を柔軟に持って、アプリやプラグインの活用法を考えてみよう!
カレンダーPlus Advent Calendar 2020 の14日目の記事です。
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