kintone Café 東京 Vol.6(3)リアル業務改善後編

前回までの話

久々に開催された、kintone Café 東京 Vol.6、前回の記事では、ハッカソンの中でわれわれのチームがどんなふうにアプリ開発を進めていったのか、その前半を紹介しました。

この記事では、とうとう今回のアプリ開発が完成します。ほぼできたと思っていた飲食店のシフト管理業務アプリ、もう一つの問題が発覚。これをどうやって改善するのか。さっそくスタートします。

問題2.集まったシフト計画を調整したあと、まとめて完了にしたい!

前回は、2つのアプリを作り、アプリ間のデータの受け渡しのカスタマイズを作るところまで完成しました。

  • シフト申請アプリ ・・・各スタッフが来月の希望勤務可能日時を入力する
  • シフト管理アプリ ・・・シフト申請アプリのデータを集約し、カレンダーで視覚的に確認。シフト調整を行う

シフト管理アプリには、プラグイン「カレンダーPlus」を導入することで、カレンダー上で各スタッフの勤務予定を確認し、それをマウス操作で調整することができるようになりました。

調整後の完了作業を効率化したい!

次に考えるのは、集まった勤務予定を調整するのが終わったら、それらのステータスを「調整中」から「確定」にする必要があります。

カレンダー表示でいうと、グレーの予定を青に変更するということですね。

ここで、1つの予定はkintoneの1つのレコードを表していますので、通常であれば1つずつレコード詳細画面を開いて、編集→ステータス変更→保存 という作業が必要になります。

仮に1つのお店にスタッフが10人いたとして、それぞれが月に10日間出勤するとしたら、10 × 10 = 100個のレコードがあることになり、これらを一つひとつ編集していくのは、かなりめんどくさい作業になります。

通常のワークフローのように、1つのレコードの中身を確認するだけで判断ができるような業務の場合であれば、個別に編集する、またはプロセス管理を使って、ボタンでステータスを変更する、というやり方が向いています。しかし、今回の業務は複数のレコードをカレンダーで一度に確認しながら、全体を最適化するように調整するという業務です。この場合、個別確認は効率が悪いため、なんとかこれを一発で変更できるような機能が欲しいところです。

こういうときに活躍するのが、四宮さんのジョイゾーが販売している「レコード一括更新プラグイン」です。

このプラグインも有料ですが、30日間無料でお試しすることができます。

今回のケースはこのプラグインの機能がまさにドンピシャだったので、このプラグインを導入してみることにしました。

レコード一括更新プラグインの機能は、上記のサイトの説明を見ると以下のように書いてあります。

一括更新を基本機能で行うには、CSV書き出し後に編集、そして読み込みを行う必要があります。

プラグインを使うことで、一覧画面で絞り込んだレコードに対して指定フィールドの値を一括で更新できます。

プラグインを使わずに、複数のレコードのデータを一括で更新するためには、CSV書き出し→データ修正→読み込みによる一括更新が必要になります。

プラグインで一括で確定作業

このプラグインの機能は、一覧画面で絞り込んだレコードに対して、一括でフィールドの値を書き換えるというものです。

まずは、シフト管理アプリで現在「調整中」となっているレコードを表示する一覧を作る必要があります。

「調整中」のレコードだけを表示する一覧を作成しました。

この一覧を使って、まだ確定になっていない「調整中」のレコードだけを表示させることができます。

カレンダーPlusの画面でシフトの調整が終わったら、一覧のビューを「調整中」に切り替えます。次にプラグインによって表示されている「一括更新」ボタンを押します。

一括更新の設定画面が表示されますので、今回は「状態」フィールドを「確定」に更新する、という設定をして更新ボタンをクリックします。

確認のアラートが表示されますので、この条件で一括更新をしていい場合は「更新する」ボタンをクリックします。するとほぼ一瞬で一括更新が完了します。

左側が一括更新前の一覧画面です。一括更新後は「調整中」レコードがなくなり、すべてが「確定」に変更されました。

この機能を使うことによって、大量のレコードを一つずつ開いて編集しなくても、まとめて確定することができました。

今後の課題

飲食店におけるシフト管理業務にkintoneを適用するにあたっては、他にもいくつかの課題があると思います。どれもいろいろな技術を応用することで解決可能な課題だと思いますので、チャレンジしてみたいところです。

  1. 各スタッフのシフト入力作業をシンプルにする

    PCのブラウザーからではなく、スマホからかんたんに入力できるような機能が欲しい

  2. 日々の勤務における勤務開始時間、終了時間の記録(タイムカード)

    カードをかざして「ピッ」とするだけで記録できるようなかんたんなやり方にしたい

  3. 勤務予定および実績の集計(スタッフ毎や店舗ごとの集計データの活用)

    これはkintoneで頑張るとある程度実現できそうです

プラグインやカスタマイズの勘どころ

今回のハッカソンでは、メンバーにkintoneカスタマイズの大御所2人がいたこともあって、短時間の間に大量のカスタマイズを一気に導入することができました。かといって、全てのケースにカスタマイズやプラグインの利用を前提に考えるわけではないと思います。

kintoneはかなり強力な標準機能を持っています。しかし、その機能が全ての業務改善ケースにおいてベストな選択であるとは限りません。

今回のケースでは、カスタマイズを施すことによって、使う人の利便性が大きく改善されたり、作業がすごく効率化するようなポイントに適用するようにしています。

kintone業務改善を考えるにあたっては、次のような考え方を基本に持っています。

  • まずは標準機能を深く理解する
  • さまざまな業務改善ケースにおいて、標準機能をどう工夫して使うかをとことん考える
  • その上でさらなる改善効果が得られるポイントに限ってカスタマイズ適用を考える

今後のkintone Caféについて(やりたいこと)

全国各地で活発に開催されているkintone Caféですが、比較的東京は高度なテーマが多いのではと思いました。

次回は自分が企画に参加して、kintone業務改善に取り組み始めた人や、エンジニアではないkintoneユーザーに向けたコンテンツを企画してみたいと思いました。

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