プリントクリエイターの帳票レイアウトをパワポで作ってハマったことがあるので共有しよう
kintoneで帳票出力はプリントクリエイター!
こんにちは。プロジェクト・アスノート代表の松田です。
kintoneではさまざまなデータを管理できます。データベース的な使い方、ワークフロー的な使い方、社内SNS的な使い方など、多くの機能が標準で提供されています。しかしそんなkintoneにも弱点があります。
それは印刷。
「いやいや、そもそも仕事をペーパーレス化するためにクラウドを使うんでしょ!」
確かにその通りです。でも、社外に提出する見積書や請求書など、どうしても定形フォーマットの帳票が必要になることってよくあるんですよね。まぁ、最近は紙に印刷して郵送、ではなくてPDFファイルをメールで送付というケースが多くなりましたが、kintoneで帳票を自由なレイアウトで出力したい!というニーズはかなりあります。
こんなときはサイボウズスタートアップスさんのkintone連携クラウドサービス「プリントクリエイター」を使うのが、もはやデファクトスタンダードですね。
この記事では、つい最近、プリントクリエイターの帳票のひな形作りでパワーポイントを使った時にハマったことがありましたので、紹介したいと思います。
プリントクリエイターのしくみ
プリントクリエイターのしくみは、
- あらかじめkintoneとの接続が設定してあるプリントクリエイターのクラウド上に、帳票のレイアウトひな形をPDFファイルでアップロードし、画面からレイアウト上のkintoneのデータ配置場所を設定しておく。
- プリントクリエイター上で、kintoneに設定するJavaScriptファイルが自動で生成されるので、ダウンロードしkintoneアプリにアップロードする
- kintoneアプリの画面に帳票出力ボタンが表示される。
- 出力した帳票レイアウトを選択し、出力ボタンを押すと、あっという間にPDFが自動生成され表示される。
- 必要に応じて印刷したり、ファイル出力する。
というふうに、kintone上に帳票出力ボタンを生成し、そこからプリントクリエイターのサービスに連携して、kintoneのデータを埋め込んだPDFを自動生成し、出力する、というものです。
プリントクリエイターのしくみ
(画像はサイボウズスタートアップスWebサイトより引用しました。https://pc.kintoneapp.com/ )
プリントクリエイター設定のキモ
kintoneの設定などは慣れるとすごく簡単にできますので、プリントクリエイターの設定をする上でキモになるのは、以下の2点だと思います。
- カッコイイ帳票レイアウト(PDF)を作成する
- レイアウト上のkintoneデータの配置を設定する
帳票レイアウトを作る際には、ワードやエクセルで作られた、従来から使われていた帳票を元にすることが多いですが、今回、パワーポイントでレイアウトを作成した際に、PDF出力したときにレイアウトがズレてしまう、とう経験をしました。
パワーポイントでレイアウトを作ったらこうなった
今回作ったのは、PowerPoint2016で、スライドのサイズをA4・縦を指定して、見積書のレイアウトを作成しました。
図のように、スライドのサイズ指定で「A4」を選択し、スライドの向きも「縦」を選びました。
これでレイアウトを作って、A4サイズの中にキチンとレイアウトを作り、これをPDF出力して、プリントクリエイターに設定しました。
そしてテストデータでkintoneから帳票出力をしてみたところ、下の図のように紙の左上に全体が寄ってしまったように出力されてしまいました。
これは困った・・・と、あれこれ調べていたところ、思いがけないところに原因を発見しました。
レイアウトがズレた原因はPowerPointのサイズ設定だった
パワーポイントでスライドサイズの指定をするところを、よーくよーく見てみると、なんと!
ドロップダウンではちゃんと「A4」を選択したはずなのに、用紙のサイズはA4の用紙サイズである、210×297 mmに鳴っていないではないですか!
- A4用紙サイズ: 幅210mm、高さ297mm
- 設定されたサイズ: 幅190.5mm、高さ275.17mm
A4よりも かなーり小さいサイズに用紙サイズが設定されてしまっています。
パワーポイントの用紙サイズ自体が、A4よりも小さかったので、パワポから出力したPDFのサイズも小さいサイズになってしまっていたようです。PDFファイルのプロパティを確認すると、確かにサイズが小さくなっていました。
プリントクリエイター側はA4サイズが指定となっているのに、それよりも小さなサイズのPDFをアップロードしてしまったため、A4に出力したときに、全体が左上に寄ってしまったということのようです。
対応方法:パワーポイントのスライドサイズはユーザー設定にする
さて、回避方法ですが、パワーポイントでスライドサイズを設定する時に、A4を選ぶのではなく、「ユーザー設定」を選択します。そしてA4のサイズを自分で入力して設定します。
非常にわかりにくいパワーポイントの仕様ですが、以上のようにすればキチンとA4サイズのPDFを出力できるようになりました。プリントクリエイターに設定してもきちんと中心にレイアウトされた、カッコイイ帳票を出力することができるようになりました。
よく調べてみると、印刷屋さんへの入稿データをパワーポイントで作成するときにも、同様の問題が発生しているようで、印刷屋さんのWebサイトでも多く取り上げられています。「パワーポイントはプレゼン用のソフトであって、印刷用のソフトではない」とサクっと書かれていますが、これはよく知らない人はハマるポイントだと思います。
- プリントクリエイターのひな形レイアウトPDFをパワーポイントで作成するときは、スライドサイズの設定は「A4」ではなく「ユーザー設定」でサイズを手入力する(幅21.0cm × 高さ29.7cm)。
- 正しいサイズで印刷したいものをパワーポイントで作るときも同様(印刷屋さんへの入稿データ等)。
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