【kintone標準機能】アクション機能を使う時の注意点(2018年1月アップデート対応版)

みなさんこんにちは。プロジェクト・アスノートの松田です。2018年1月アップデートでkintone(キントーン)のアクション機能が強化されました。

この記事の概要

アプリアクション機能で転記できるフィールドに、ドロップダウンが加わりました。これによって新しく注意しなければならないことがでてきます。

kintoneのアクション機能を使う際に注意するべきポイントについて、実際試しながら検証してみましょう。

アクション機能(アプリアクション)では、アプリのレコードを新しく作るときに、同時に今開いているアプリのレコードデータを転記するという仕組みです。別の2つのアプリで同じデータを転記しなければならないときに有効活用できる機能です。

アクション機能で転記が可能なフィールドの種類は限定されています。このたび「ドロップダウン」フィールドがコピーできるようになりました。

 

 

さっそく検証してみよう

テストアプリを準備

図のようなアプリをテスト用に作ってみました。アプリの名前を「アクション元」としました。
従来からコピー可能であった文字列(1行)フィールドとともに、ドロップダウンも設置します。

ドロップダウンの設定は下のように、3つの項目を設定しました。

  1. sample1
  2. sample2
  3. XXXX

 

まったく同じ構成でもう一つのアプリを作ります。
同じ構成のアプリを複製するときは、アプリ作成ボタンを押した後、「ほかのアプリを再利用」からコピー元を指定すると簡単に複製することができます。アプリの名前は「アクション先」に変更しておきます。

アクションの設定

次にアクション機能を設定します。
アクション元アプリのアプリの設定→その他の設定→アクション からアクション機能設定画面を開き、作成ボタンを押して新しいアクションを登録します。

アクション名はアプリに表示される転記ボタンの名称になります。ここは「転記」としました。

コピー元には、自分のアプリが設定されていますので、コピー先に、先ほど作った「アクション先」アプリを設定します。

次にフィールドの関連付けを設定し、どのフィールドをコピーするのかを設定します。
ここでは、文字列(1行)と、ドロップダウンを設定しておきます。

アクションの利用者の設定は、このボタンを表示させる人や組織を設定することができます。今回はテストなので自分だけにしておきます。ここを工夫すると、担当業務に応じたアクションボタンをそれぞれ表示させることもできますね。

設定が終わったら保存し、アプリの設定の更新ボタンを押して運用環境に反映しておきます。

 

通常のアクション(2018年1月アップデートの検証)

アクション元のアプリに、次のように入力したレコードを登録します。
ドロップダウンは、3つめに設定した「XXXX」を選択します。

 

レコードを保存し詳細画面を見ると、「転記」というボタンが表示されていますね。
このボタンを押すとアクション機能が動いて、コピー先(アクション先アプリ)に新規レコード作成画面を開き、コピー元のレコード情報をコピーした状態で編集状態となります。

転記したい項目がたくさんある場合などは、非常に便利ですね。さらに手動による転記のミスを防ぐこともできます。

 

アプリの修正時が要注意ポイント!

kintoneを使って業務アプリを作っていくとき、まずアプリを作ってみて、実際に使いながら実態に合うように修正したり、業務の変化に応じてアプリの内容を修正していくことがよくあります。システムの修正が簡単にかつスピーディーにできることは、kintoneを使った業務改善の大きなメリットだと思います。

ここで、複数のアプリ間を「アクション機能」で連携するように設定した場合、アクション機能でコピー元およびコピー先に設定されたフィールドが、それぞれ対応していることが必要です。それぞれのアプリの設定を変更した場合、以下のケースについて一度設定したアクション設定がどのような影響を受けるのか検証してみました。

  1. ドロップダウンの選択肢を削除・修正した場合
  2. フィールドを削除した場合
  3. フィールド名やフィールドコードを変更した場合

 

1.ドロップダウンの選択肢を削除・修正した場合

下の図のように、現場からの依頼等にもとづいて、選択肢の名称を変更することがあります。
アクションのコピーの対象となっているドロップダウンフィールドの選択肢の項目名を修正した場合、設定されたアクションの挙動はどうなるでしょうか。

このケースでは、「アクション先」のドロップダウンの3番めの項目を「XXXX」→「xxxx」に修正しました。

アクション元   アクション先
1.sample1 ———- sample1
2.sample2 ———- sample2
3.XXXX ————- xxxx   ←3番めの項目名が対応していない

 

この状態でアクションボタンを作動させてみたところ、アクション先の新規レコード画面は開いて、文字列(1行)のコピーは正常にされていますが、ドロップダウンが未選択となっています。

このように、ドロップダウンフィールドのコピー元/コピー先の選択肢が合っていない場合、整合性の取れない選択肢については無視されてしまうことがわかります。

アプリの設定が修正されたタイミングでアクションの見直しをしておかないと、いつのまにか転記漏れが起こっていた!というトラブルになりかねません。この現象が起こっている場合でもエラーメッセージ等は出ませんし、アクションの設定画面を見ても分からないので注意が必要です。

 

2.フィールドを削除した場合

コピー元、またはコピー先のコピー対象フィールドを削除してしまった場合は、アクションの設定内容から消えてしまいます。データはコピーされないとともに、もともと設定してあったこともわからなくなるので、注意が必要です。

仕様が落ち着くまでは、アクションでコピーするフィールドについては、設定画面のスクリーンショットをkintoneに貼り付けておくなど、記録に残しておくほうがいいのかもしれませんね。

 

3.フィールド名やフィールドコードを変更した場合

一度アクションのコピー項目として設定したフィールドのフィールド名を変更した場合は、問題なく動作します。
設定時に内部でフィールドコードが設定されるのかもと考えて、フィールドコードを修正してみましたが、この場合でも問題なく動作します。

コピー元・コピー先どちらのアプリでフィールド名を変更した場合でも、即時にアクションの設定内容に

応用編として、一度フィールドを削除し、同じフィールド名・フィールドコードのフィールドを再度作成してみたところ、アクションの設定から消えてしまいました。フィールドの作り直しをする時も要注意ですね。

 

まとめ

アクション機能活用時の注意事項

アクション機能を設定したアプリのフィールドを修正・削除するときは要注意!
今回のアップデートで新たにドロップダウンが使えるようになりましたが、選択肢の項目修正時にも注意が必要ですね。

  1. ドロップダウンの選択肢を削除・修正した場合
    1. 対応する選択肢が無い場合は、データがコピーされない(未選択となる)
    2. 設定内容への影響はなし
  2. フィールドを削除した場合
    1. そのフィールドの関連付け設定が削除され、コピーもされない
  3. フィールド名やフィールドコードを変更した場合
    1. 変更がアクション設定にも反映され、問題なく機能する

さらに、これらの現象が起こったときにはエラーメッセージも出ませんので、運用が始まってレコードが蓄積されているアプリを修正するときには、アクション機能が設定されていないか、よく確認しておくことが大切です。

18年1月アップデートについては、ジョイゾーさんのブログにも解説記事があります!

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