【kintone 業務改善】IF関数を使って軽減税率対応区分記載請求書アプリを作る
みなさん、こんにちは。サイボウズ公認 kintone エバンジェリストの松田です。
2020年1月のkintoneアップデートで追加されるIF関数を活用した実務サンプルとして、消費税軽減税率制度に対応した区分記載請求書を作ってみました。
IF関数を使った計算式だけではなく、いくつかの工夫を組み合わせることで目的の機能を作っていくという実例です。
ぜひみなさんも、自分で手を動かしてあれこれと試してみてください。
kintoneのIF関数については、こちらの記事で詳しく説明しています。合わせてご活用ください。
【コピペで使える!kintone IF関数】IF関数・AND/OR/NOT関数を使いこなす(2020年1月アップデート)
区分記載請求書って何?
消費税軽減税率制度の手引(国税庁Web)
Ⅲ-2 帳簿及び区分記載請求書等の記載に係る留意点 に書式の詳細が説明してあります。
ポイントは下の図の3点
記載例としては以下のように示されています。
kintoneで対応するポイント
①軽減税率対象品目にマークを付ける
これはまさにIF関数でなんとかなりそうです。
まず、通常記載する品名とは別に、テーブルの中にもう一つ文字列(1行)フィールドを設置します。ここでは「品名(帳票用)」としました。
この文字列(1行)フィールドには、自動計算を設定します。
ここに、IF関数を使った計算式を書きます。
考え方は次のとおりです。
もし、税率が8%だったら、品名の後に※をつける
それ以外は、品名をそのまま表示
慣れていない人は、計算式をいきなり書き始める前に、日本語で整理してみるとわかりやすいと思います。それを下図の構造に当てはめてみましょう。
IF(税率=”8%”, 品名 & ” ※”, 品名 )
アプリを動かしてみると、想定通り、ラジオボタンの税率選択によって、※印がちゃんと付加されました。
②記号が軽減税率の対象であることを示すことを記載
これは帳票側で対応してもいいですが、kintoneの中で見たときにもわかりやすくするために、ラベルフィールドを使って表示しておきます。
③税率ごとに合計金額を記載
通常テーブル内の数値を合計する場合、計算フィールドにSUM関数を使って「SUM(金額)」のように記載します。
ところが残念ながら、SUM関数の中ではIF関数は使おうとすると、IF関数の中でテーブル内のフィールドを設定してしまうことになり、エラーとなってしまいました。
なので、ちょっと工夫する必要があります。
テーブル内フィールドは、SUM関数の中でしか使えない
テーブルの中に、計算フィールドを2つ新たに設置しましょう。
ここに税率によって別々の列に金額をコピーしてくるような設定を作ってみます。
次の表のような結果になるようにしたいと思います。
税率 | 金額 | 金額10 | 金額8 |
10% | 1,000円 | 1,000円 | 0円 |
8% | 1,000円 | 0円 | 1,080円 |
ここに、それぞれ次のような計算式を記載しました。
金額10:
IF(税率=”10%”, 金額k, 0)
金額8:
IF(税率=”8%”, 金額k, 0)
そして、このそれぞれの列を合計する2つの計算フィールドと、総合計を計算させる計算フィールドをテーブルの外に設置します。
① 10%合計(フィールドコード:合計10):
SUM(金額10)
②8%合計(フィールドコード:合計8):
SUM(金額8)
③合計
合計10 + 合計8
これで完成です。
さっそくアプリを動かして検証してみましょう。
想定どおりの結果が得られました。
あとは、これらのデータを帳票連携サービス等を使って出力すれば、軽減税率対応の帳票が完成します。
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・kintone認定アソシエイト(2017)
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