kintoneでワークフロー4.2段階承認プロセス

このレクチャーの目的

これまでに学習してきた、基本となる業務プロセス「差し戻し付きの一段階承認プロセス」は理解できましたか?今回は、実際の業務シーンでもよくある、一次承認者、二次承認者といった2人の承認が必要な、二段階の承認プロセスを表現してみることにしましょう。kintone初心者の方はぜひ自分でも手を動かしながら、実際にアプリの設定を行い、アプリの動きを確認してみてください。

このレクチャーの目的

「2段階承認プロセス」の実装を通して、以下のことを学びます

  • 業務の流れを把握し整理する方法の基本を学ぶ
  • 少しフクザツなステータス間移動のプロセス管理設定方法
  • kintoneプロセス管理を設定するための、業務の整理方法と設定内容の組み立て方を学ぶ

1.業務プロセスを整理する

前回の記事までで設定した、「単純承認プロセス(差し戻しあり)」は以下のような業務プロセスでした。

このときは、差し戻された案件のステータスは、未処理に戻す、という考え方です。また承認者は1人なので、承認者が承認するボタンを押して承認すれば、この業務プロセスは終わりとなり、ステータスは完了になります。

今回のケースは、承認(確認)の段階が2段階になるケースを考えてみます。わかりやすくするために、1段階目の承認者を「確認者」、2段階目の承認者を「承認者」とします。また、差し戻しに関しては、確認者が内容をチェックして、修正が必要な場合は起票した担当者に差し戻して修正させる。最終の承認者は、承認するか、またはこの案件は認められないということで却下する、という業務プロセスにします。

この業務プロセスをフローチャートで表すと次の図のようになります。

確認者が差し戻しを行った場合の行き先は、申請を行った担当者になりますが、複数の案件があるときに、未申請のものと差し戻されたものがきちんと区別できるようにするために、起票に戻すのではなく、差し戻し修正中(修正)という段階を置いています。修正後、再申請ボタンを押して、再度確認者に確認依頼をします。

次にプロセス管理の設定に必要な、ステータスの切り分けについて考えてみましょう。

変更ポイントは以下の点です。
合計6つのステータスが必要になります。

  • ひとつめの確認中ステータスを「確認中」、ふたつめの承認中ステータスを「承認中」
  • 差し戻し中を示すステータスとして「差し戻し」を設定したこと
  • 承認者による却下されたレコードのステータスとして「却下」を設定したこと

 

3.プロセス設定に必要な項目を整理する

今回行いたい変更は、二段階の承認プロセスを表現することと、差し戻しを表現すること、却下を表現することです。

表 プロセス管理の設定内容

現ステータス 作業者 条件 ボタン名 次のステータス
1 未処理 担当者 「確認依頼する」 確認中
2 確認中 確認者 「確認OK→承認依頼」 承認中
「差し戻す」 差し戻し
3 差し戻し 担当者 「再度確認依頼する」 確認中
4 承認中 承認者 「承認する」 完了
「却下する」 却下

 

完了と却下については、次に移行するべきステータスが無い(すなわちプロセスの終着点)ので、この表の現ステータスには出てきません。確認中と承認中のステータスの行の中で、ボタン名を2行設定しています。これによってアプリの画面上ではボタンが2つ表示されることになります。

この表の解釈:

  1. ステータス:未処理 の作業者は「担当者」であり、「申請(確認依頼)」ボタンを押すことで、次のステータス:確認中 に移行する
  2. ステータス:確認中 の作業者は「確認者」であり、
    1. 「確認OK→承認依頼」ボタンを押すことで、次のステータス:承認中 に移行する
    2. 「差し戻す」ボタンを押した場合は、次のステータス:差し戻し に移行する
  3. ステータス:差し戻し の作業者は「担当者」で、「再申請」ボタンを押すことで、ステータス:確認中 に移行する
  4. ステータス:承認中 の作業者は「承認者」であり、
    1. 「承認する」ボタンを押すことで、次のステータス:完了 に移行する
    2. 「却下する」ボタンを押した場合は、次のステータス:却下 に移行する
  5. ステータス:完了却下 からは、他のステータスへの移行はない

kintoneに設定するための準備が、これで整いました。

このような考え方で、業務プロセスを整理することを覚えておいてください。この表の内容が、kintoneにプロセス管理を設定するときに必要な情報となります。慣れてくると頭の中でも整理できると思いますが、最初のうちは、ぜひホワイトボードや紙に書いて整理してみることをおすすめします。

4.プロセス管理の設定をする

さっそくkintoneアプリのプロセス管理の設定を修正してみましょう。

ステータスは上で整理した、6つのステータスを設定します。

ステータスの設定内容

今回設定したステータス

  1. 未処理
  2. 確認中
  3. 承認中
  4. 完了
  5. 差し戻し
  6. 却下

プロセス管理の設定内容

ステータス間のプロセスの設定は、上で整理した表の内容に従って設定します。

設定が終わったら、思い通りの動きになっているか、アプリを動かして確かめてみます。そのために、確認者と承認者のステータスの作業者についてはまだ設定しないでおきましょう。実際の運用を行う際には、ここに実際の確認者や承認者の人を設定します。

設定が終わったら、忘れずに「保存」ボタンを押して設定を保存し、アプリの設定画面の「アプリを更新」ボタン(青いボタン)を押して反映させておきましょう。

次に、設定したkintoneアプリを動作させてみて、目的の動きをするか確認してみましょう。

5.動作確認

確認者、承認者に作業者を設定していませんので、1人でまずは全プロセスが正しく動くか、確認することができます。

  1. 【担当者の画面】
    新規レコードを作成・保存して、「確認依頼する」ボタンでステータスを進めてみます。
  2. 【確認者の画面】
    ステータス:確認中
    「確認OK→承認依頼」「差し戻す」の2つのボタンが表示されています。
    まずは通常ルートから確認します。
    「確認OK→承認依頼」ボタンを押してステータスを進めます。
  3. 【承認者の画面】
    ステータス:承認中
    「承認する」「却下する」の2つのボタンが表示されています。
    「承認する」ボタンを押して、承認作業を行ってみます。
  4. レコードのステータス:完了 となり、このレコードのプロセスは完了しました。

※あなたがアプリの管理者の場合、完了以前のステータスにおいて「現在の作業者を変更する」ボタンが表示されています。これは管理者が現在の作業者を変更する機能となります。通常の管理者以外の利用者の画面には表示されません。

 

次に、差し戻しを実行してみます。

  1. 新規レコードを作成・保存して、「確認依頼する」ボタンでステータスを進めます。
  2. 【確認者の画面】
    ステータス:確認中
    「確認OK→承認依頼」「差し戻す」の2つのボタンが表示されています。
    「差し戻す」ボタンを押して、担当者に差し戻してみましょう
  3. 【担当者の画面】
    ステータス:差し戻し となり、
    「再度確認依頼する」ボタンが表示されています。
    内容の修正が完了したということで、このボタンを押して再申請してみます。
  4. ステータス:確認中 となり、差し戻しのフローを確認することができました。

「差し戻し」の操作

続けて、却下するプロセスを確認します。

  1. 【確認者の画面】
    ステータス:確認中
    「確認OK→承認依頼」「差し戻す」の2つのボタンが表示されています。
    「確認OK→承認依頼」ボタンを押してステータスを進めます。
  2. 【承認者の画面】
    ステータス:承認中
    「承認する」「却下する」の2つのボタンが表示されています。
    「却下する」ボタンを押して、このレコードを却下します。
  3. レコードのステータス:却下 となり、このレコードのプロセスは完了しました。

「却下」の操作~ステータス:却下でプロセスは完了するため、作業者はいない

今回設定したとおり、2段階の承認プロセスが実現し、差し戻しや却下も動くことがわかりました。

一覧画面で確認すると、未処理のレコードと差し戻されたレコードの区別もつくようになり、完了したものと却下されたものもハッキリわかるようになりました。

アプリの一覧画面での各ステータスの見え方

実際にこのアプリを使い始めるときは、このあとステータスに応じた通知の設定や、アクセス権の設定が必要となります。前回の記事を参考にして設定してみましょう。

複雑な業務プロセスにも対応できる業務整理の手法

このシリーズでは、シンプルな業務プロセスを例として、業務の整理の仕方、そしてそれをkintoneのプロセス管理の設定に必要な情報に落とし込む考え方を紹介しています。

ここで行っている手法は、対象の業務プロセスがより複雑になった場合にも有効です。同様の手法をみなさん自身のアプリ構築にも応用してみてください。

次回からは、承認者が複数になった場合の設定方法について解説していきます。承認者全員の承認が必要なケースであったり、何人かの承認者の中で誰か1人が承認することが必要なケースの設定の仕方を紹介します。

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